海と砂に囲まれた新潟ワインコースト。ここは個性的な5軒のワイナリーが集まる今もっとも新しいワイン産地です。新潟市街地の南西部、車で30分ほどの日本海に広がる海岸地帯に位置し、この海の砂のような特異な土壌から素晴らしいワインが次々に産み出されています。
この地最初のワイナリーであるカーブドッチが、ぶどうを植えワイナリーを創設したのが1992年。「国産生ぶどう100%、かつ欧州系のワイン専用種100%のワインを造る」という当時では考えられなかった目標を掲げ、更にワイン未開のこの地を世界に誇るワイン産地とするという大きな挑戦を秘めたスタートでした。
転機となったのは2005年。後にこの地の適性品種と断じる「アルバリーニョ」を植えた年です。そしてカーブドッチの目標に賛同し、フェルミエの本多孝氏がカーブドッチに修行に来たのもこの年でした。その後2006年に2軒目のワイナリーであるフェルミエがオープン。2009年にドメーヌ・ショオがオープンし、現在ではこの土地に惹かれて集まったワイナリーは5軒にもなりました。
新潟ワインコーストには海の砂のような特徴ある土壌とワイン造りに適した環境があります。そして小規模な個性あるワイナリーが集い、それぞれがアルバリーニョと同じく可能性を秘めた様々な品種栽培にチャレンジしています。まさに現在の日本ワインの熱い息吹を感じる地であり、確実に産地形成が進みつつあると言えます。
海岸の砂浜を思わせる砂質土壌。この特異な土壌こそ私達がこの地に集った理由です。栄養素が極端に少なく水はけが良い土壌は、繊細な味わいと華やかな香りをワインに与えてくれます。
海岸からわずか1.5kmに位置するこの土地は昼は海から、夜は陸から風が吹き、ぶどうの大敵となる湿度を下げてくれます。また梅雨が短く、ぶどうの成熟期に降雨が非常に少ない年が多いのも特徴です。
スペイン原産のアルバリーニョという白品種を始め、砂質土壌の特性を現す適性品種を探して様々なぶどう品種にチャレンジしています。