【本】ライターズ・イン・レジデンス〜第二弾が恩田陸さんに決定!
生まれ変わった新しい「ヴィネスパ」
2022年春に温泉施設「ヴィネスパ」はリニューアルされ、寛ぎながら本が選べる書店が新設されました。訪れる方に普段とは違う時間の流れを味わっていただき、他では体感できないような心地の良さを感じていただく。本を通して新しい気付きや知見を得ていただけるような空間が新たに加わりました。
4000冊の選書はすべて幅允孝氏にお任せ
館内1、2階の壁面全体に4000冊の本が10のテーマごとに並ぶ書架を配置。本の選書にもこだわり、ブックディレクター幅充孝氏にすべての本の選書と配架をお願いしています。
「ライターズ・イン・レジデンス」とは
更に本に関わる魅力的な活動をと、カーブドッチでは「ライターズ・イン・レジデンス」というプロジェクトを始めました。ひとりの作家がカーブドッチのホテルに滞在し、この地を舞台とした物語を書き上げ、カーブドッチが出版・販売を行うプロジェクトです。一般の本屋ではなく、カーブドッチの店頭のみで販売されます。装丁デザインにもこだわり、この場所ならではの読書体験を本を通じて表現していきます。
その第一弾は、アート小説家として活躍中の原田マハさんに執筆を依頼し、2023年9月に『旅をあきらめるにはまだ早い友への手紙』を出版しました。
そして、いよいよ待望の第二弾が「恩田陸」さんに決定!
言わずと知れた人気作家の恩田陸さん、代表作「蜜蜂と遠雷」は、国際ピアノコンクールを舞台にした小説で直木賞と本屋大賞のダブル受賞という快挙でした。最近では、2024年3月に『spring』(筑摩書房刊)が発売されました。八歳でバレエに出会い十五歳で海を渡った一人の天才バレエダンサーをめぐる傑作長編小説です。スプリングというタイトルは、金森穣さん率いるNoism(新潟市を拠点とする日本初の公共劇場専属舞踊団)の公演を観に行った帰りの新幹線で「決まった」とのこと。
ジャンルの枠にとらわれず、SF、ミステリー、冒険小説、ホラー、青春小説もお得意な恩田陸さん。カーブドッチを舞台にしたどんな物語が完成するのか、今から楽しみです。
<恩田陸の受賞歴>
『夜のピクニック』第26回吉川英治文学新人賞・第2回本屋大賞/『ユージニア』第59回日本推理作家協会賞/『中庭の出来事』第20回山本周五郎賞/『蜜蜂と遠雷』第156回直木三十五賞・第14回本屋大賞
第一弾:「原田マハ」さんの書き下ろし『旅をあきらめるにはまだ早い友への手紙』はこんな物語
~旅って、人生みたいなもんとちゃう?
大学時代の同級生で14年ぶりに再会したハグとナガラ。転職、別離、介護‥‥人生の折り返し点を前にした、女ふたりの六つの旅物語をまとめた文庫オリジナル短編集「ハグとナガラ」。カーブドッチはその旅の最終地点となっています。
~私は思う存分、食事とワインのシンフォニーを味わった。そうしているあいだじゅう、ずっと、豊かな、あたたかな何かが心を満たしていた。
良いときも、辛いときも、ともに旅を楽しむことができる存在がいることは、なんと素敵なことだろう。日常をはなれ、自分のために過ごす時間に、ふと大切なことに気付くのかもしれません。旅の思い出やその時に感じたことを振り返りたくなる一冊です。
<書籍概要>
タイトル:旅をあきらめるにはまだ早い友への手紙
著者:原田マハ
装丁:本庄浩剛
編集:幅允孝・渡邉唯(BACH)
発売日:2023年9月20日
価格:1,300円(税込)
発行・発売:株式会社カーブドッチ
<著者紹介>
原田マハ
1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。『カフーを待ちわびて』(宝島社)第一回日本ラブストーリー大賞/『楽園のカンヴァス』(新潮社)第25回山本周五郎賞/『リーチ先生』(集英社)第36回新田次郎文学賞/2024年11月に『板上に咲く』(幻冬舎)泉鏡花文学賞
写真:ZIGEN